紙片の音楽集


わたしとおんなじように
あなたとおんなじように
これは たったひとつきりの紙片




紙片(しへん)= 紙の欠片・紙切れ。
または、広島県尾道市にある、本と音楽の店の名前。
これは、紙片店主が音楽の人・詩の人に紙片という言葉を渡すことからはじまった
ひとひらの音楽集です。
音楽は19組の手によって生まれた21曲、
詩は書き下ろされた100篇の中から、
どれか10篇が入っています。
清濁を両手に持った音楽と詩が、日々のすき間にそっと寄り添うものでありますように。

音楽
AOKI,hayato
いろんなためいき
岩本象一
木太聡
小瀬村晶
佐立努
白黒ミドリ
瀬戸信行
田辺玄
寺尾紗穂
天体
トウヤマタケオ
西森千明
Hideyuki Hashimoto
hofli -津田貴司-
Mujika Easel
森ゆに
yatchi
Repair
全21曲 2枚組


池田彩乃

価格
3,000円(税込)

発売
9月16日紙片にて先行発売

在庫が出来次第
各参加アーティスト
福岡県門司港 muna
東京都高円寺 えほんやるすばんばんするかいしゃ
にて販売予定です

【収録タイトル ※どれが入っているかはおたのしみです。】
「きちんとすれ違う」
「ささやかな歌」
「たった一つきり」
「るるる」
「一行に憩う」
「花を手にとる帰り道」
「見えぬものを呼ぶ」
「種蒔くようにあなたは」
「生活を愛している」
「百年を君に」

各タイトル10篇ずつ収録

「紙片の音楽集」について書きました。長くなりました。

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紙片の音楽集がもうすぐ生まれます。
つくっているのは尾道にある「紙片」というお店です。
もうすぐ2年目を迎える本と音楽のお店です。
お店はひとりの人が営んでいます。
寺岡さんという人です。紙片の人としましょう。
紙片の人が、「紙片」という言葉を
19組の音楽の人たちに渡し21曲の音楽が生まれました。

聴きながら
「あ、これは『どこでも紙片』だ」とうれしかったんです。
この音楽たちがあれば、どこにいたって
深く息が吸える。
耳を澄ますことができる。
目を閉じることができる。
言葉にすることができる。
だけれど、言葉にしないままでいることもできる。
あとわたしは、安心してよく眠れます。
(もうなんどもお世話になりました)

紙片という場所が持つものは、
紙片の人が店に立ち続け手渡そうとしているものと
そこにある本や音楽が持っているものと
町が持っているものと
それらが溶けて混ざったささやかな魔法みたいなもの
わたしにとって、おまもりです。
紙片も、紙片の音楽集も。

ここになかったものが、今はある。
ここにあります。
出会うということは、
その出会いを携えて
歩いたり立ち止まったりできるということ。
ここから
よい出会いが生まれてゆきますように。
舟になったり光になったり
ゆっくりと長く届いてゆくものになりますように。

そのうつくしい箱を手に取る日には
はじめまして ようこそ ありがとう
そう伝えたいです。

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箱の中の冊子の中に10枚の紙片が入っています。
10篇の三行詩です。
今回わたしは「100の紙片」というタイトルで
三行詩を100篇書かせていただきました。
100篇、なにを使って書いたのだろうと改めて考えていたのですが
書き終えるのが惜しいとまで思えたものたちのこと
やっぱり、紙片に引き出してもらったとしか言いようがないです。
紙片に来る人のことを思い、山々や瀬戸内の海を思い
誰かの部屋でその箱が開かれる時間のことを思い
来たる季節を思い、出会ってきた人のことを思っていました。
「思い、書く」という慣れ親しんだ巡りの中にいることが
うれしいばっかりの日々でした。

「わたしとおんなじように
あなたとおんなじように
これは たったひとつきりの紙片」

音楽集のコピーにも使ってもらったこれは100の内のひとつ。
こうして詩が生きていること
これからすばらしい音楽たちと旅すること
そのあかるさに照らされながら歩いてゆけること
とてもとてもたのしみです。
「100の紙片」のことどうぞよろしくお願いします。

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あってもなくてもいいものがあってほしくて
開店当初からの紙片の人の言葉を辿り、拾い集めて
20の紙片を作りました。
これはひとりの人のはしきれであり
とある本屋さんの語録でもあり
紙片がどんな場所であろうとしているのか
触れられるひとひらでもあると思います。
と言うとおおきく聞こえますが、ほんのちいさな紙片です。
店頭特典になるそうで
くじびきにしちゃおうかなと言っておられました。
またお店へゆきたくなる切符のようなものになるといいなあと思います。
楽しんでいただけたら幸いです。