0714_ねむりの前のこころみ

土を守るべく、庭を守ることにした。
もうやるまいと思うことが増えたとしても
やったことないことが減っていくのがいい。
「確実に」踏むこと。
踏み外したあとの道を踏むこと。

あなたの思うよりずっと
言葉の息は永い。
言葉の手足は長い。
いかようにもあなたと生きられる。
指先に短い火を見ながら負け続けるのは私がいいと思う。

夜中、詩を1時間読んでいたら
自分の体が一本の線になっているような気がした。
いろんな場所で、いろんな生を生きて
まだ越境と分断を繰り返しても
この体になるべく多く帰りたい。
そうしていつかもう線以外にならなくてもいいように。

自室に広がるいつもの夜の延長で
(自室。この住所が私しか指さないということに時々うろたえる)
画面の向こうにかすかな人の気配があった。
線になることは、書いているときの体にも似ていたね。
「ねむりの前のこころみ」またやるかもしれません。
人気のない頃に、ツイッターでお知らせします。


その夜は2010年刊行の『別の星から降ってきたみたいだ』も読んでました。
死んでしまうことと、ひとを抱きしめたいということばかり書いてたなあ。

1時間読んだら、汗をかいていた。
喉元にも口腔にも言葉がなくなって、いよいよほんとうに静かな夜だった。
水際を背に立つなにかとなにかが
「池田彩乃」という名前を一口ずつ食み合っているような気がした。